
静観ムードになっているのは私だけでしょうか?
ナナとレンの行く末について予測を立てられるある程度の根拠が出てきた巻だというのに、ましてこれまでと比べてもスケールの大きなことがあった(シンの件)巻だというのに、続きが気になりません。
NANAはある時期から裏っかわに商業の色が見え始めましたよね。
売れているので物語を当初のプランから拡大した様相がありました。
話をややこしく引っかき回してエスカレートさせたり、人気の出そうなキャラと設定を新しく加えてみたり。
作品制作に対する不純さを肌で感じて、かなりあの頃は文句を言いながら読んでいたものです。
しかし展開に文句をつけたくなるのは、“こうなって欲しい”という願いがあればこそです。
“こうなって欲しい”という物語の展開への期待は、作品のポテンシャルが高くなければ持てないものです。
加えて矢沢あい作品の特徴は感情移入できる点です。感情移入が展開への期待を強めるのです。
その感情移入を引き起こしたのは、NANAにおいてはキャラクターへの共感もしくは反発です。加えてNANAのキャラクターは「理想像」という面も背負っています。
儲けを意識した物語の流れになってからも嫌悪感たっぷりながら新刊を心待ちにしていたのに、現在は首を長くしていません。
「飽き」の決定打たるものが18巻にあったわけではないので、これは自分としても不思議な心の動きです。
先は気にならず見守るのみというこのムードは、作品に私の感情が流れて行かなくなったことを表していると思います。
何故でしょうね。
メインであるナナとレンの心模様がわかりにくいからかもしれません。傾いたかと思えば持ち直しての繰り返しで、「今」2人はどうなっているのか、新刊が出る頃には忘れています。他のキャラクターの恋模様の方がよほどはっきりしています。
むしろ他のキャラクターの恋に手を広げすぎて、ナナとレンが埋もれてしまったかもしれません。
もう片方の主人公である奈々とタクミにも18巻では大した動きはありませんでしたし。(後に大きな何かが起こるための小さな蓄積はあるかもしれませんが。)
まぁよくわかりません。なんにせよ、一番やめてほしいのは本を分厚くして値段を上げることですかね。
| NANA 18巻 | |
| 著者 | 矢沢あい |
| 初版発行 | 2007.9.19 |
| 発行 | 集英社 |
| 定価 | 本体457円+税 |
| 入手場所 | どっかのコンビニ |