
※ネタバレ注意※
久しぶりに読んでみると、気が重くなりました。
この漫画に住むキャラクターは、実際に「生死」を賭けなければなりません。
たとえば私の大好きなONE PIECEは「生死」に非常に甘いです。「命を賭けろ」というセリフがあっても、作者は愛すべきキャラクターたちの死を読者に突きつけることをしません。
ミクスィーのHUNTER×HUNTERコミュにて他の方々の24巻の感想を見ましたが、そこに書き込みをしている人たちとの温度差を感じました。
話は進みましたし面白かったですが、私としては読み返したくなる巻ではありません。
これまでの巻は、興奮してその日の内に幾度も読み返したものですが、今回は反芻したくなる場面が特にありませんでした。
どうやら王とコムギの絡みが多数の読者の方々にはツボだったようですが、私としては、友情や愛情のシーンがクサくなりすぎてしまうHUNTER×HUNTERの欠点が顕著に出た巻だと思っていました。
要するに、興奮しておく場面で私がそれに至らなかったのが、温度差の原因ということになりましょうか。
冒頭で云った通り、HUNTER×HUNTERは生死が曖昧ではありません。読者にショックを与えるであろうキャラクターの死を敢えて(作者が)描いている態もあります。
生死の線に関わらずとも、今巻ではパームとビゼフのこともショックでしたね。キメラアントと戦うという任務が、どれだけのものを賭けなければ貫徹できないものなのかが上手く表わされています。
HUNTER×HUNTERそのものが、読む側にとってもまさに遊びじゃないという感じです。
その辺りの残酷さ・厳しさと、クサいシーンのバランスが私にはあまり気持ち良いものではないのです。
(でも多数の方にとってそうでないのなら問題は無いです。)
私が今回最も怖かったシーンはプフがコムギを殺そうとして泣く場面ですね。
「あ」が散りばめられたあの雑な描写のコマは身震いがしました。どうしてあんな狂気のこもった絵を描けるのでしょうか。
キルアが儚げに見える点が読者にキルアの死を予想させているようですが、私はキルアは死なないと思います。
キルアが死ぬと物語が動かなくなりませんか?
“ゴンとの友情”が、週間少年ジャンプという媒体を介しているこの漫画が失ってはならない重要要素だと思うのですが、キルアが死ぬとなると友情面を描く代役キャラを擁立しなければなりません。
人気もかなり占めているであろうキルアを殺してまで代わりのキャラを立てるメリットは、キルアを亡くすことで生じるデメリットには勝らないと思います。
直情型で我儘なゴンと、我儘に折れて冷静さでカバーするキルアという2人の助け合いの構図が、高い精度で築き上げられているこの漫画では尚更です。ゴンとキルアは2人で1つなのです。
(ただ、作者がハンター×ハンターを終わらせようとしているのならキルアの死も有りかもしれませんが。)
イカルゴが死にそうだと私は思いましたが…。
キャラクターのデザイン的にあまり魅力が感じられないので、先で長くキルアとの友情を育むキャラとしてはキャラの製造に力が入れられていないような気がします。
物語の組み立て方には感嘆しました。
ノブがマンションを仕掛けるために入れられたと思われる、王が腕をもいだ件などは、王が元々そういうことをしそうなキャラなのでエピソードに無理がありません。
無理がないどころか、単に「行動が極端な王」に留まらず、このエピソードは『宮殿内で何かが狂ってきている』象徴にもなっています。
なにはともあれ、今回あまり満足できなかったのは、私が一番心待ちにしているNGLのリーダーの再登場が無かったからかもしれません。
| HUNTER×HUNTER No.24 | |
| 著者 | 冨樫義博 |
| 初版発行 | 2007.10.10 |
| 発行 | 集英社 |
| 定価 | 本体390円+税 |
| 入手場所 | どっかのコンビニ |